タカコのびっくりレポート

タカコが日本を離れてから、日々のできごとや見たこと聞いたことを、みんなにレポートします。お楽しみに!


びっくりレポート016号

10月11日(土曜日)/晴れ/30度=9時/南東の風

<十月十日の夜>

 食事はいつも外で、ココナツの葉で作ったマットの上に座って取ります。
 この日も陽が沈んで少し涼しくなり、食事の後、そのまま家の前にみんなが集まって座っていました。

 漁の話をしたり、島の習慣の話を聞いたり、冗談を言ったりしながら、一家五人の娘たちと、フランシスコさんと奥さんと、楽しいときでした。

 でもちょうどその頃が一番、蚊が押し寄せてくるのです。
 ラビニアが風上に立って、蚊取り線香を振ってくれたり、奥さんがココナツの葉で編んだウチワでたたいたり、風を起こしてくれますが、蚊はよそから来た珍しい獲物に襲い掛かります。それをこっちの人たちは笑って見ています。
 いつも、会話の途中で退散することになります。
 完全に夜になると、ハエは来ないし、蚊もそれほどではなくなります。

 みなさん、月を見て下さい。ちょうど半分くらいですね。
 午後八時過ぎに外に出てみたら、月がとても強く光を放っていました。
 その明かりで、何もかもが少し銀色に輝いて見えます。自分の影も家の影もくっきり地面に映っています。
 木星が天のほぼ中央に、金星が西に、月に負けじと大きく光っています。
 月明かり、星明かり。その世界は、人工のライトで照らされたものとはまったく異なります。月と星だけの夜は、おしゃべりに語りかけてきます。懐中電灯をつけると、何もかもが急にだまりこくってしまう気がします。

<土曜日の食事>

 土曜日は少しのんびりと始まります。
 お母さんも赤ちゃんをお父さんにあづけて、ほっと一息。

 リリアンがチブイブイという、甘い香りの白い花で冠を作って持ってきてくれました。

 まだ暑くなる九時前までに、あたりの草取りをしたり地面をはいたりします。
 フランシスコさんも、ココナツの殻を使って地面をきれいにならします。ほうきは、ココナツの葉の芯をたくさん束ねて作ります。

 女性達は、今シーズンのパンノミをいっせいに調理しはじめました。

 パンノミの皮を、ココナツのシェルを利用してこそぎとって小さく切りました。これは煮て食べます。
 他の人たちはココナツの外皮をたくさん重ねたうえに火を付けて、その上で丸ごと焼いています。黒くなった皮をはぎ、中身を石でこねると黄色いモチのようになります。そのままでも結構おいしい。
 これに、ココナツミルクを煮てどろりとしたソースをからめると、とってもおいしい。さわやかな甘さです。「シウヒルヒル」と呼びます。

 スージーが、パンノミの貯蔵方法はたくさんある、と教えてくれました。これもそのひとつで、一カ月くらいは取っておけるそうです。
 これをバナナの葉でくるみ、手ごろなところにあった草でゆわえて、お弁当のようになりました。

 パンノミの料理は、他にもたくさんあって、衣を付けて油で揚げたものを食べたことがあります。これはものすごくおいしい。中でとろりと溶けそうなパンノミはまるで、熟したバナナのよう。これを地元の人は「テンプラ」と呼ぶのです。揚げ物を、一般的にテンプラと呼ぶみたい。

 今日も誰かが、直径十五センチもある大きなドーナツをくれました。歯ごたえのある、しっかりしたドーナツ。これもテンプラだそうです。

 村の人たちがカヌーで漁に行って、マグロなどを十一匹取ってきました。
 私たちも一匹分けてもらって、夜はさっそくそれで刺し身です。正真正銘、とれたてのマグロをすぐに食べるのです。

 ここの人たちは、最高の食生活だと思います。そのかわり、そのために体と知恵と技を使います。

 ジュリアーナがおかしをひとつ、持ってきてくれました。

 「ココナツキャンディ」。ココナツの果肉を細かく削ったものを天日で乾かし、溶かした砂糖の中にいれてからめたもの。握りこぶしの半分くらいの大きさでしたが、食べると口の中でぽろっと壊れ、さくさくした感じ。ココナツ独特の甘さがします。

 他にはツーバをゆっくりと煮詰めてシロップ状にし、最後にキャンディとして食べる「ツーバキャンディ」もあります。

 ツーバキャンディは天然のものだけを使った、健康的なお菓子だね。店で売っているお菓子は、たいてい体にはよくないものね。

タカコ

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