タカコのびっくりレポート

タカコが日本を離れてから、日々のできごとや見たこと聞いたことを、みんなにレポートします。お楽しみに!


びっくりレポート027号

10月18日(金曜日)

 ウォレアイに着いて四日が過ぎた。ふんどしの生活にもすっかりなじみ、毎日面白いことばかりで飽きることがない。午前中はのんびりと過ごし、午後は学校でワールドスクールの授業がある。日が沈み、月が顏を出しはじめると、島のこどもたちから遊びに誘われる。

 毎週金曜日はコミュニティー活動の日で、その地域の人がみんなで集まって島の仕事をする。この前の金曜日は島の男たちと共にシーウォール作りに行ってきた。シーウォールというのは、津波からタロイモ畑を守るための堤防のことだ。浜辺に石の壁を作り、そのしたに溝を掘って崩れないようセメントで固める。言葉でいうのは簡単だがなかなか骨の折れる仕事だ。

 ぼくは完全に工事現場のお兄さんと化し、黙々と作業を続けた。日本のように黄色いヘルメットをかぶって車の排気ガスを横目に仕事をするよりは、灼熱の太陽のもとで波の音を聞きながらする仕事の方がよっぽど気持ちいい。そして仕事の合間に飲むヤシの実のなんとおいしいこと!その日の晩は、充実した汗と引き換えに火照った背中が寝返りを打つたびに痛かった。

◇       ◇       ◇

 昼間、島の若者たちは学校に行ったり、ヤシからツーバ(ヤシの芽からでる液。お酒になる)を切ったり、こどものお守りをしたりして過ごす。日が沈み、あたりが暗くなってひまになると遊びに誘いにやってくる。夜遊びは夜遊びでも、ネオンがピカピカの繁華街に出向いて騒ぐのでは当然ない。ここにはふんぞりかえったような明るすぎる光はなく、あるのは月と星の包み込むような優しい光のみだ。ぼくらはその下で魚を釣り、カニを探し、歌う。

 歌の好きな女の子がいた。リリアン(十七歳)は教会の合唱団に入っていて、ウォレアイの歌、トラック諸島の歌、日本の歌、英語の歌などたくさんの歌を知っている。ウォレアイの歌はどれも海が舞台になっており、静かなメロディーは月夜の砂浜にこそふさわしい。日本の歌を歌えというのでいくつか日本らしい(?)歌を歌ったが、一番評判が良かったのがなぜか「瀬戸の花嫁」だった。なにか通ずるものがあったのだろうか。

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 浜辺でいくつかゲームをした。日本の「とおりゃんせ」と全く同じものもあった。他には「エニ・パラオ」といって、数人が手をつないで輪を作り、その中に目隠しをした二人が入って、一人がエニ・パラオといいながらもう一人を捕まえるという遊びをした。

 このゲームもなかなか白熱したが、一番盛り上がったのが「シュグシュグ」という 陣取りゲームだ。二つのチームにわかれて守りと攻めを交代で行い、相手の陣地に触ったほうが勝ちという単純なものだが、高度な戦略と相手の陣地まで突っ走るスタミナが要求される。みんな裸足で珊瑚や貝殻だらけの浜を猛進してくるのだが、慣れないぼくは痛くて猛進どころではない。ふんどしがはずれそうになるのを必死におさえながら抜き足さし足で全力疾走というヘンテコな走り方で、深夜の12時過ぎまで走り回っていた。

 ウーン、なんて健全かつ健康的な夜遊びだろう。結局帰ってきたのは午前一時過ぎになり、寄ってくるハエやカに目もくれず、ぼくは固い板の寝場所の上に横になった。

ナオキ



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