タカコのびっくりレポート

タカコが日本を離れてから、日々のできごとや見たこと聞いたことを、みんなにレポートします。お楽しみに!


びっくりレポート034号

10月23日(木曜日)

ココヤシの実は、端の一部を削り取るようにして、中のジュースを飲む。これはお客さん用に、ふたまで作って差し出してもらった。中のジュースは淡く甘い。

 午後一時、高野さんがウォレアイを発ちました。お世話になった家族や生徒たちからたくさんの花飾りと抱えきれないほどの思い出をもらい、高野さん一人だけを乗せた小さなプロペラ機は小雨の降るくもり空の中に消えていきました。今日からワールドスクール授業の教鞭をとるのは校長先生のルイス。頭がきれ、一つ一つのしぐさにも風格がただよう実にいい男です。

 今日は「便利さ」について話し合いました。ウォレアイはモーターボートの使用を制限するなど、便利さや快適さを追い求めるという人間が生まれたときからもっている欲望に自ら歯止めをかけた島でもあります。それを決めたのは島のお年寄りたちですが、果たして若者はどう思っているのでしょうか。

 便利になったもの、逆に便利になったことによって奪われたものをみんなにあげてもらいました。便利になったものは、「蛇口」「車」「時計」「洋服」「コンクリート」「ライター」「くし」などがあがり、ユニークなものでは「財布」「空港」「やかん」というのもでました。また、失われたものとしては「タブー」「火起こしの技術」「病気をなおしたりするまじない」「レワとよばれる昔のくし」「コプラを削る道具」などぼくなどには思いもよらない答えが次々とあげられました。

 これらの意見を出しあった後、最後に生徒全員で話し合い、だされたのが「私たちは便利な生活とひきかえに素晴らしい伝統的な知恵を失っていることに気づいた」という感想です。伝統的な知恵というのが独自の文化と深く関っているということを今までの授業から彼らはわかっているでしょう。

 この先、自分たちは一体どうしていけばいいのかという具体的な意見を聞き出せなかったのはぼくの力不足ですが、便利なことが必ずしもいいことばかりではないということをかれらが考えるきっかけになれたらと思います。

 身近な便利さを追求していくうちに人間は「開発」という名目で、自然を壊していきます。川をコンクリートで固め、山を丸裸にしていく日本がいい例でしょう。流域のお年寄りなどはいろんな自然の知恵をしっているとともに、以前はもっときれいだったという話しをよくしてくれます。でも昔はよかったというノスタルジアからは何も生まれてはきません。いったん手にいれた便利さを手放すのはとても勇気のいることですが、ぼくたちは便利さを追い求めることに対してもっと注意深く考えたほうがいいのかもしれません。みなさんはどう思いますか。

ナオキ



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