「未来につながる教育に、情報技術をどう役立てるか」
英国エジンバラ大学で、WSNの活動紹介

 2003年1月8日(水)英国エジンバラ大学教育学部構内で、ワールドスクールネットワーク事務局長大前純一が25名の研究者や学生たちに発表をしました。集まった聴衆は、化学工学や野外教育、コンピューター科学、通信教育など多様な専門分野の専門家たちで、それぞれ教育に関心を持った人たちでした。

新潟県栃尾市の実践活動などに驚きの声
 「ITはサステイナビリティ教育にどのように貢献できるか:ワールドスクールネットワークの試み」と銘打った講義で、大前は日本の学校へのコンピューター導入の全体像や総合学習導入の背景などを説明した後、ワールドスクールネットワークの目指すものや手法を紹介しました。成果として新潟県の小学校を例に取り、市長からゴミ分別制度検討の約束を取り付けるなど、子どもたちが実際の問題に対して行動を始めるようになることを説明。これまでにのべ3万人、数百団体が関わって継続的な活動であることを強調しました。最後に課題として、活動の質や効果についての評価をすることや、より多くの人たちに加わってもらえるようなオペレーションのあり方などを話しました。

セミナー室にぎっしり、教授らも参加
 この研究会はITに関心を持つグループが中心に2ヶ月に一度ほど開くもので、通常は10名程度の参加。机に座りきらず壁際の予備の椅子に座るほどの25名の聴衆は記録だったようで、テーマが広範囲の人々の関心を呼ぶものだったことと、それだけWSNの取り組みが汎用的だということでしょうか。

 聴衆全員メモを取りながら熱心に聞き、質問は絶えず終了後大前に駆け寄る人もいるほどでした。「書き込みはセンサーする必要はないのか、どのようにモニタリングしているのか」「分散・集中型モデルとは具体的に地理的なことを考えているのか」「サステイナビリティに貢献しているという証拠はあるのか、そうしたものを見えるようにすると資金援助が得やすいのではないか」「ヨーロッパにも目的は異なるが似たような取り組みがあり、その組織と共同でできることがあるのではないか」など、多岐にわたる質問ならびにアドバイスがありました。ITとは無関係ながら、日本の学校の歴史としての校内暴力や学級崩壊、それに対応するためのゆとりの教育などについて幾つか質問が集中し、英国の現状と比べながらの議論が聴衆内で交わされました。

子ども知恵図鑑に、大きな注目
 大前は堂々と落ち着いた態度のまま英語で的確に発表を進め、冗談にはうるさい英国人を笑わせるほどのユーモアを交えつつ、質疑への応答は見事でした。

 何人かの人が「興味深かった」「これほどのスケールと思わなかった」「ジュンの発表の仕方には学んだ」と感想をくれました。私の同僚宛に送られたある人からのメールには「Excellent, stimulating seminar!」(素晴らしかった。刺激的なセミナーだった!)とあり、私たちあてではないことから、本音の発言と思われます。「お気に入りウェッブサイト」に登録するという声もありました。

 何人かは大前に対して、英国の学校教育が現在いかに分刻みで教師の行動を規定しているかなど、カリキュラムと科目別テストでがんじがらめの現状を嘆いていたので、英国で使えるかどうかについては謎のままですが。それでも興味がありそうなところに紹介したいという声はありました。

 それぞれ影響力を持つ人たちなので、WSNの取り組みや目指すもの、ユニークで大胆なやり方の可能性を英国の学者たちに示せたことは意義が深かったと思います。これをきっかけにどこかで広がりとつながりができていくことを期待します。

(高野孝子 1月10日)

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