知恵だより 115号

Jan. 5 1999

都会に突入

浦和市の典型的な都会の光景。どこから知恵探しを始めたものやら・・・=浦和市で

2000年1月5日 気温:4度 天候:晴時々曇り 風向き:北東
出発地:久喜市=北緯36度03分46秒/東経139度39分34秒
到着地:南浦和=北緯35度50分05秒/東経139度39分25秒
歩いた距離:28.5Km

 久喜市を離れて、いよいよ都会に入りました。都会はどこも似ていて、アスファルトの道と鉄道と地下鉄、コンビニ、高いビル、アパート、それに人ごみにあふれています。この光景が、東京の南側のはるかにまで広がっているのでしょう。これまでの4カ月近く、ほとんどが田舎で知恵を探し、人々と話をしてきました。今日は、それを都会でやるという難題にぶつかったのです。

 稲刈りが終わった田んぼのワラくずの中にいたり、田舎でのいろんな暮らし方を見たり、雪国で雪まみれになったりしてきました。今日は、車の販売店、ファミリーレストラン、コンビニ、町工場、4車線の道路などが僕の周りにずっとありつづけました。これまでなら、何台の車とであったか、何人の人と行き会ったか、数えることができました。でも今日は一秒間にすら何台もの車と出会い、とても数えるどころではありません。人もいっぱい通りすぎて行くので、だれに話を聞いて言いかわかりません。

 知床半島を出発してから、人に話を聞くことで苦労したことはありませんでした。僕が近づいたら、相手がこっちを見てくれて、「この人は何だろう」と興味を持ってもらって、両方が笑顔になって、言葉を交わす距離に近づきます。これが、人々が暮らしている場所での人と自然について学ぶ出発点でした。つまり、「こんにちは」が、話のきっかけになるのです。

 今日歩いていて、僕はこんな状態が東京までずっと続くのだろうかと、ちょっと心配になってきました。都会暮らしの話を聞こうと、あるコンビニの前に立ち止まったのです。何度もやってみましたが、目と目が合わないのです。最初の二人は、私に目も向けないのです。目を合わせて、向こうの人に「この人は何だろうか」と興味を持ってもらうことは、さらに無理な話でした。「ハロー」と話しかけても、何の言葉も返ってこないのです。

 何人かは、私に協力しようとしてくれましたが、とてもいそがしそうに見えました。久喜クリーンセンターの責任者にお願いして、10分の時間を何とかとってもらいました。セブンイレブンの店長は、事務室からためらいがちに出てきて何分か話してくれました。

みんなお気に入りの雑誌に読みふけっていて、僕と話をしようなんて思ってくれる人は、ほとんどいないのです=久喜市で

 車は黄色になった信号を走りぬけ、歩行者も点滅を始めた歩行者信号に小走りに渡っていきます。みんなこの日の何か大きな目標のために急いでいるようです。とても僕に興味を持ってもらって、会話を始めるという雰囲気ではありません。

 それぞれの身の回りへの関心を失せるようなものとは、一体何なのでしょう。人々が都市でどう暮らし、都市がどんな知恵を持っているかを見つけられるのは、まさにここだと感じ始めています。

 いくつものリサイクルショップや産業廃棄物処理センター、それに多くの人々は、この先にたくさんの発見があることを期待させてくれます。でも都市生活で何がすぐれているのかを見つけること、そして僕と話をしてくれる人を見つけることは、簡単ではなさそうです。

 どんな知恵をみんなが持っているのかを聞くために十分な時間をとってもらうようにするには、どうしたらいいか、だれか良い考えはありませんか。

 グレッグ

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