知恵だより 119号

Jan. 09 2000

遊びの知恵

うまく出来あがったたこがうまくあがるかどうか、自然の家の前で試してみる=埼玉県川口市自然の家の前で

2000年1月9日 気温:-1度  天気:晴時々曇  風向き:西
現在地:川口市自然の家=北緯35度52分34秒/東経139度43分18秒
歩いた距離:0km

 子ども自然クラブと緑のボランティアの会員, 埼玉県の生態系保護協会の「物作り塾」関係者など30名近い人たちが、屋外での遊びの知恵や自然素材を使ったもの作りを経験し考えるために集まりました。

 「グレッグさんは、歩いて知恵さがしの長い旅を続けています。今日はみんながよく知っている知恵を教えてあげましょう」と、西尾さんがあいさつしました。「みんながよく知っている知恵って何でしょうか」と聞かれて、川口市自然の家の前に立っていたみんなは、ちょっと困った様子でした。でも最後には、答えが出ました。僕は子ども自然クラブのみんなの遊びの知恵を学ぶことでこの日を過ごすことになりました。

 参加者は、なわとびのなわ作りと弓矢作リの二つのグループに分かれました。僕の入ったグループの子供たちは、自然の家から弓作りに使う竹を数本運び出して来ました。数人の女の子たちは、なわをなうためにわらを柔らかくする作業に取りかかっていました。大人たちにせかされることもなく、子供たちは自分たちで何を作るかを決め、必要な時だけ大人たちの手を借りていました。

 僕の弓矢グループは大人の手助けは必要としていないようで、、逆に僕がこの若い弓作りの達人たちからいろいろ教えてもらいました。なたを上手に使う男の子の手の中で、竹がバシッという音を立てました。弓の形が少しづつ出来ていく間に、とびなわ作りのグループの女の子たちもなわをない始めていました。

 午後は、和だこ作り、弓を射るコンテスト、半分本気のウサギ狩り(だれも実際に捕まえようなんて思ってもいなかったけれど)等々、たくさんのことをしました。

ウサギがいると聞いて、野原に突進して行く自然クラブの子どもたち。よく見るとそれぞれが手に弓と矢を持っている。=埼玉県川口市川口市自然の家近くで

 西尾さんは、自然の中で遊ぶことの大切さについて、こう言っていました。「昔は、子供たちは遊んで楽しみながら将来の仕事に必要な技術を身につけていったのです。とびなわ作りから女の子たちはなわのあみ方を覚え、弓矢作りから男の子たちはなたの使い方を覚えました。たこ作りもまた、日本の農村生活に必要だったいろんな道具を手作りする技術の上達を助けたのです」。

 僕は今日楽しんだような遊びが、自然クラブの子供たちの生活の中でどのように役立てられていくのかと考えてみました。

 日本で過ごした数年間、そしてアメリカでの少年時代にも、環境への愛着心を育てながら子どもと大人を結びつける、こんな遊び方は知りませんでした。今日この自然の家の子どもと大人の笑顔やきらきら輝く目が、それを実証していました。

 自然クラブの子どもたちの小さな冒険家ぶりを見守りながら、これから生きて行く上で、ここでの経験が彼らに与える影響について考えました。僕自身、街に住んでいた時小さな竹やぶで遊んだり、木登りをしたり、田舎に引っ越してからは森を探索したりした少年時代の思い出から、どれだけ大きな影響を受けたかと思いました。自然がどんなに面白いものであるかの思い出を持っていなかったり、その面白さを知らない人には、自然を元の姿に戻そうと考えることすら出来ないと思います。

 僕の頭の中のどこかで、自然が僕に与えてくれた小さな興奮や好奇心が、今なお僕の生き方に影響を与えているということを思わざるをえません。自然の面白さが結果として自然を守ろうという考えを生み出すのかもしれないし、また、どうしたら環境ともっとうまく共生できるかの新たな考えを引き出してくれるのかもしれません。

 自然のなかで遊ぶ知恵の中には、いかにして自然の一部になることができるも含まれています。自然のなかでの遊びが、未来のための新たな知恵を生みだす小さな炎を燃え上がらせてくれることでしょう。その炎が大きく燃え広がる日が来ることを楽しみにしています。

 グレッグ

 皆さんは自分の時間をどのように使いますか?そ時間の使い方が将来役に立つと思いますか?

 (翻訳 大橋 千都子)

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