知恵だより 122号

Jan. 12 2000

プレーパーク

男の子がぬれたなわばしごをちょこちょこ登っていきます=東京都板橋区東板橋公園で

2000年1月12日 気温:3度  天候:雨と雪  風向き:南西
現在地: 東京都板橋区前野小学校
歩いた距離:0Km

 遊びが、地域の強いつながりを作ったり、いい自然環境を作り出す重要な役割を果たすなんて、誰が想像できたでしょう。僕は雪と雨の中、板橋区プレーパークで楽しみながら、地域づくりにプレーパークがどんな可能性を持っているのかを学びました。

 木の少ない公園の森で、浅い泥んこの水たまりをとび越えながら、板橋区立金沢小学校のみんなと僕は、板橋区東公園の中央に向かいました。ここはプレーパークの活動が行われる場所です。何本かの木からロープがぶら下がっています。舗装した歩道の脇には、コンクリートで出来た木が何本もあって、登れるように取っ手がついています。雪になったり雨になったりする中で、金沢小学校の子どもたちは、いつもどんな風にこのパークで遊んでいるのか見せてくれました。ひとりの男の子は、ちょこちょこと5メートルもなわばしごを上って、本物のクスノキのてっぺんまで行きました。なわあばしごから木の枝に飛び移るのはとても大変で、僕たち全員は下からはらはらしながら見守りました。

 続いて僕が上り、さらに女の子ともうひとり男の子が続いてきました。みんな上りましたが、降りるのが大変です。女の子には、木を降るのは特に恐しいことで、なわばしごを足で探りながら、ロープをしっかりつかむ手は震えていました。地上にいる他の生徒たちが励ましの声をかけました。「できる、できる」「がんばって」「だいじょうぶだよ」。女の子は、足とつま先を目いっぱい伸ばして、バランスを取り戻し、無事地上に戻ってきました。

男の子が木のてっぺんに登ろうと苦労しているのを、友だちが地上から見守っています=東京都板橋区東板橋公園

 子どもたちの向こうには、「板橋自然と遊びの会」のかがみさんが立っていました。プレーパークの指導をするプレーリーダーの大人たちは、木に登る、火をおこす、鋭い刃物を使うなど、危険と思われることに対して必要以上に保護したり禁止したりするより、子どもたちの冒険心を刺激するべきだと考えています。子どもたちが自分自身で責任をとる限り、自分たちの判断で遊ぶべきだというのです。両親や保護者や先生たちが子どもたちに対して過保護になるために、子どもたちは自由に遊べないし、責任というものを知ることもできない場合が多すぎる、というのがプレーパークの考え方です。

 プレーパークは1940年代にデンマークと英国で始まり、その考え方は1970年代後半に日本に入ってきました。日本にはいくつものプレーパークがありますが、板橋区の人々は東公園の自然の条件と人工的な環境を良くしようと努力しています。この活動は行事ごとに区から承認されますが、まだ子どもが遊びの責任を自分たちで取るところまで完全には開放されてはいません。

 プレーパーク運動では、子どもたちが楽しみながら、責任をとることを知ることが大事だとされています。しかし、それだけではありません。子どもたち同士、おや同士の結びつきをに作ることや、公園の自然環境を良くすることも目的としています。

 かがみさんは、地域づくりがどのように進んだかを話してくれました。「公園で、子どもは、他の子どもや子育て中の親たちとの知り合います。私たちがここで活動した結果、母親のグループができたり、プレーパークを守る市民のグループができたり、いつもならまず関わり合いを持ちない人たち同士が知り合うことができたのです」。

 木で遊んでいた子どもたちから、公園での遊びを通して地域のつながりを作ろうと苦労している、かがみさんのような大人たちまで、プレーパーク運動にかかわる人たちは、人間も自然も含めた健康的な都市環境を作るための大きな可能性を示しています。

 みなさんは自分自身の行動に対して、どのくらい責任を取っていますか。
 みなさんはどんな公園で遊びたいですか。

 グレッグ

 (翻訳: 畝本紀子)

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